出典:IPA「JVN iPedia 脆弱性対策情報データベース 第1四半期レポート(2025年)」
こんにちは。今日は、IPA(情報処理推進機構)が公開した2025年 第1四半期の脆弱性レポートをもとに、「私たち一般ユーザーが注意すべきポイント」をお届けします。
■ たった3か月で8,844件の脆弱性が発見
IPAのデータによれば、2025年1月から3月の間に8,844件もの脆弱性(ソフトウェアのセキュリティのすき間)が新たに報告されました。
これは1日に約100件、つまり毎日どこかのソフトで“問題の入口”が見つかっているということです。
■ よく見つかる脆弱性とは?
以下は特に多かった脆弱性の種類と内容です:
脆弱性の種類 | 内容 | 件数(2025年1〜3月) |
---|---|---|
クロスサイトスクリプティング(CWE-79) | 偽の画面を表示し、ユーザーから情報を盗む | 1,597件 |
SQLインジェクション(CWE-89) | データベースを勝手に操作される | 633件 |
認証の欠如(CWE-862) | ログインが不要な状態で情報にアクセスされる | 408件 |
これらは、企業や開発者向けの話のように見えますが、実際には私たちが使っているアプリやサイトにも影響を与えます。
■ 一般ユーザーが注意すべきこと
1. アプリやソフトを更新していない場合は要注意
脆弱性の多くは、古いままのソフトウェアを使い続けることが原因で悪用されます。更新を怠ると、すでに見つかっている“すき間”がそのまま残り、攻撃の入口になります。
2. あまり知られていないアプリの利用は慎重に
開発元が不明確だったり、更新が数年間止まっているアプリは、セキュリティの対応が不十分な場合があります。
3. OSやブラウザも例外ではない
脆弱性はアプリだけでなく、スマートフォンやパソコン本体のOS、Webブラウザにも見つかります。こちらも定期的な更新が不可欠です。
■ 脆弱性から身を守る3つの基本
- ソフトウェアやアプリは常に最新の状態にする
→ 特にOS、ブラウザ、ウイルス対策ソフトは最優先で更新しましょう。 - アプリは信頼できる公式ストアからのみインストールする
→ 無料だからといって安易にインストールするのは危険です。 - 自分が使っているアプリに脆弱性がないか調べてみる
→ IPAの「JVN iPedia」では、脆弱性の対象となっているソフトを検索できます。
https://jvndb.jvn.jp/
■ まとめ:今日できる「安心の一歩」を
ソフトウェアの脆弱性は、専門家だけの話ではありません。私たち一般ユーザーも、次のことを少し意識するだけでリスクを減らすことができます。
- アップデート通知を後回しにしない
- アプリの出どころを確認する
- セキュリティ情報にも定期的に目を向ける
「知らないうちに狙われていた」を防ぐために、できることから始めましょう。
それでは、また次回の「Today’s Security」でお会いしましょう。
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