Today’s Security: ランサムウェアの脅威と対策 2025.03.19

Todays

こんにちは。今日は、サイバー攻撃の中でも特に深刻な「ランサムウェア」について解説します。企業や組織だけでなく、個人のパソコンやスマートフォンも被害に遭う可能性があり、日常的な対策が重要です。


ランサムウェアとは

ランサムウェアとは、感染するとパソコンやサーバー内のデータが暗号化され、アクセスできなくなるマルウェアです。攻撃者は「データを復元したければ身代金を支払え」と要求します。

近年では、単にデータを暗号化するだけでなく、「身代金を支払わなければデータを公開する」と脅迫する「二重恐喝型」の手口も増えています【出典:警察庁「令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」】。


2024年のランサムウェア被害の実態

警察庁の報告によると、2024年におけるランサムウェアの被害報告件数は222件であり、依然として高水準で推移しています。また、復旧にかかるコストや時間も増加しており、特に中小企業の被害が37%増加しています。

実際に発生した被害

  • 出版大手企業への攻撃(2024年6月)
    25万人分の個人情報が流出し、復旧に20億円以上の損失を計上。
  • 情報処理サービス企業への攻撃(2024年5月)
    自治体向けサービスが停止し、個人情報が漏洩。

このように、ランサムウェアの被害は企業の経営に深刻な影響を与えています。


ランサムウェアの主な感染経路

ランサムウェアは、さまざまな経路で感染します。以下のポイントに注意しましょう。

  1. フィッシングメール
    • 偽の請求書やセキュリティ警告を装ったメールの添付ファイルやリンクを開かせ、マルウェアを実行させる。
  2. リモートデスクトップ(RDP)の脆弱性
    • 遠隔操作の機能(RDP)を適切に管理していないと、不正アクセスを受ける可能性がある。
  3. VPNやネットワーク機器の脆弱性
    • 最新のセキュリティパッチを適用していないと、攻撃者に侵入される可能性が高まる。
  4. USBメモリや外部デバイス
    • 感染したUSBを使用すると、ウイルスが広がる可能性がある。

ランサムウェアの被害を防ぐには

1. データのバックアップ

  • 重要なデータはオフライン環境にバックアップすることが推奨されます。
  • クラウドストレージのみのバックアップは、ランサムウェアにより暗号化されるリスクがあるため、外部ハードディスクやUSBメモリを活用しましょう。

2. OS・ソフトウェアのアップデート

  • ランサムウェアは古いソフトウェアの脆弱性を狙うため、常に最新のアップデートを適用することが重要です。

3. 二要素認証(2FA)の導入

  • 企業や個人のアカウントを保護するため、二要素認証を設定し、不正アクセスを防ぎましょう。

4. 怪しいメールやリンクを開かない

  • 送信元が不明なメールの添付ファイルやリンクをクリックしないことが大切です。
  • 「送金依頼」「緊急対応」などの件名のメールは特に注意が必要です。

5. セキュリティソフトの導入

  • ランサムウェア対策機能があるセキュリティソフトを導入し、定期的にスキャンを実施しましょう。

感染した場合の対応

ランサムウェアに感染した場合、慌てずに以下の対応をとりましょう。

1. ネットワークから切り離す

  • 感染が拡大するのを防ぐため、LANやWi-Fiを切断しましょう。

2. すぐにセキュリティ担当者へ連絡

  • 企業の場合は情報システム部門やセキュリティ担当者に報告。
  • 個人の場合は警察(サイバー犯罪対策課)や専門のITサポートに相談。

3. 身代金は支払わない

  • 身代金を支払っても、データが復旧する保証はありません。
  • さらに、支払いにより攻撃者を支援することになり、新たな攻撃を招く可能性があります。

まとめ

ランサムウェアの脅威は年々深刻化しており、企業や個人にとって重要なセキュリティ課題となっています。
以下のポイントを押さえて、しっかりと対策を講じましょう。

  • 定期的なバックアップを取る(オフライン環境推奨)
  • OS・ソフトウェアを最新の状態に保つ
  • 二要素認証(2FA)を導入する
  • 怪しいメールやリンクを開かない
  • セキュリティソフトを導入し、定期スキャンを行う

それでは、また次回の「Today’s Security」でお会いしましょう。

出典警察庁「令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」

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