シーン:ある日の午後、カフェで…
ソフィアは、子どもがSNSに楽しそうな写真を投稿しているのを見てホッコリ…したのも束の間。
写真には制服、通学路の標識、さらには家の近くの景色がしっかり映りこんでいるのに気づいて、ゾッとした。
「これ、もしかして…住所とか、学校、バレちゃうんじゃ…?」
心配になったソフィアは、アマンダに話を聞いてみることにした。
位置情報って、何が危ないの?
ソフィア:
「アマンダ、子どもがSNSに写真をアップしてるんだけど、背景に学校とか、家の近所っぽい場所が写ってて…これって、危ないよね?」
アマンダ:
「うん、ソフィア。すごくいい気づきよ。
写真って、ただの画像に見えるけど、“情報のかたまり”なの。写っているもの、撮った場所、時間、いろんなものが知らず知らずのうちに他人に伝わっちゃうのよ。」
目に見えない“位置情報”って?
アマンダ:
「スマホの写真には、“どこで撮ったか”のデータ=位置情報(GPS)が自動でくっついてることがあるの。これはExif情報っていって、場合によっては“この写真はこの住所で撮りました”ってことまでバレちゃうの。」
ソフィア:
「ええっ!?そんなの…知らなかった…!写真って“見た目だけ”の問題だと思ってた。」
アマンダ:
「Exif情報は設定で消せるし、SNSによっては自動で除去されることもあるけど、アプリによっては残ったままになることもあるの。だから、最初からつけない設定にしておくと安心よ。」
“制服”と“風景”も危ないの?
アマンダ:
「うん、写真に映る“ヒント”を集められると、簡単に場所が特定されちゃうことがあるのよ。」
- 制服の校章
- 通学路の目印(標識やお店の看板)
- 家の周りの塀、ポスト、マンションの外観
アマンダ:
「“今ここにいる”とリアルタイムで投稿すると、“今この子は家にいない”ってことまで伝わっちゃう。それって、悪い人にとってはチャンスになりかねないのよ。」
子どもにどう伝えたらいい?怒らない伝え方
ソフィア:
「でも…こういうのって“やめなさい!”って言いがちで…。言いすぎて、逆に秘密でやられそうで怖いのよね。」
アマンダ:
「その気持ち、すごく分かるわ。でも、禁止じゃなくて“一緒に気づく”スタンスの方が伝わりやすいのよ。
たとえばこう言ってみて。」
『この写真、場所わかっちゃいそうだね。
〇〇ちゃんのこと大切だから、ちょっと心配になっちゃった。』
アマンダ:
「子どもは“自分のことを信じてくれてる”と感じると、“気をつけよう”って気持ちになりやすいの。だから、指示より会話を意識してね。」
実際に見直したい設定と行動
アマンダ:
「伝えるだけじゃなくて、親子で一緒にスマホの設定を確認してみるのが一番の学びになるわよ。」
- スマホのカメラ設定で“位置情報を記録しない”にする
- SNSアプリの“現在地を共有”をOFFにする
- 投稿は帰宅後、時間をあけてからにする
- 背景に住所や学校が分かるものが映っていないか確認する
まとめ:子どもを守るのは、“言い聞かせ”より“気づきの共有”
ソフィア:
「アマンダ、ありがとう。私、“とにかくダメ!”って言いそうになってたけど、まずは一緒に考えるのが大事なんだね。」
アマンダ:
「そうよ。“親が守る”だけじゃなくて、“子どもが自分で気づいて守れるようにする”のが、いちばん強いセキュリティなの。」
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