Googleは2025年3月25日、Windows版Chromeに対して**深刻度「高」**の脆弱性を修正するアップデートを公開しました。今回の修正対象は、Chromeの内部で使われている「Mojo」と呼ばれるモジュールに関するものです。
でも、「深刻度:高」ってどのくらい危ないの?アップデートしないとどうなるの?
今回はそんな疑問に答えながら、アップデートの重要性とその影響をやさしく解説します。
■ 今回のアップデートの内容は?
- 修正された脆弱性:CVE-2025-2783
- 対象:Windows版Chrome
- 内容:Chromeの一部機能で誤ったハンドル(操作情報)が提供されることにより、予期しない動作やセキュリティ上の問題が起きる可能性がある。
- 修正版バージョン:134.0.6998.177 または .178
■ 「深刻度:高」ってどのくらい危険?
Googleや多くのセキュリティ機関は、脆弱性を次のような段階で評価します:
- 低(Low):悪用が困難。深刻な影響は出にくい。
- 中(Medium):条件次第で悪用される可能性がある。
- 高(High):比較的簡単に悪用されやすく、ユーザーに直接的な影響を与える可能性が高い。
- 緊急/クリティカル(Critical):即時対応が必要なレベル。すでに攻撃が始まっているケースも。
つまり、「深刻度:高」は、悪意ある攻撃者が比較的簡単に悪用できてしまう危険性の高い状態を意味します。
■ アップデートしないとどうなるの?
もし今回のような脆弱性を放置して使い続けると、次のようなリスクがあります。
- 悪意のあるサイトを開いただけで攻撃される
特別な操作をしなくても、特定のサイトを見るだけで情報が抜かれたり、意図しない操作をされたりする可能性があります。 - PCが乗っ取られる可能性も
脆弱性を足がかりに、外部からコントロールされるマルウェアが侵入するリスクも否定できません。 - すでに攻撃ツールが出回っている可能性がある
公開された脆弱性情報をもとに、自動化された攻撃ツールが一斉に脆弱なPCを探しに来るケースもあります。
■ どうすればいいの?
1. いますぐChromeをアップデート!
- Chromeの右上「︙(メニュー)」→「ヘルプ」→「Google Chrome について」から、自動的にアップデートが始まります。
- バージョンが134.0.6998.177 または .178になっていればOK。
2. 日頃から自動更新が有効か確認
- 自動更新が無効になっていると、脆弱性がずっと放置されます。
- 社用PCなどでは、管理者によるアップデートの遅延にも注意が必要です。
3. 不審なサイトやメールのリンクを避ける
- 脆弱性がある状態だと、「見ただけで感染」するケースもあるので、心当たりのないリンクはクリックしないように。
■ まとめ
今回のような「深刻度:高」の脆弱性は、攻撃者にとって非常に「おいしい獲物」です。
だからこそ、修正パッチが出たタイミングでいかに早くアップデートするかがカギになります。
「後でやろう」では間に合わないこともあるので、気づいたら即アップデート。それが、自分の情報と端末を守る一番の近道です。
それでは、また次回の「Today’s Security」でお会いしましょう。
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