フィッシング詐欺は誰にでも起こり得ます。
もし誤ってリンクを開いたり、情報を入力してしまっても、すぐに対応すれば被害は最小限に抑えられます。
このマニュアルでは、対応すべき手順を簡潔にまとめています。「やってしまったかも」と思ったら、落ち着いて、すぐに行動しましょう。
■ 目的
万が一、社員がフィッシング詐欺に引っかかってしまった場合に、被害を最小限に抑えるための具体的な対応手順を示すものです。
■ 対象者
- 不審なメールやSMSのリンクをクリックしてしまった方
- 本人になりすましたサイトに情報を入力してしまった方
- 怪しいファイルを開いてしまった方 など
■ 1.初動対応フロー(すぐにやること)
【STEP1】入力してしまった情報をすぐ確認する
- 入力した情報の種類を確認
→ ID/パスワード/個人情報(氏名・住所など)/クレジットカード情報/業務システム情報など
【STEP2】該当するサービスのパスワード変更・停止処理を行う
- 入力したID・パスワードを使用しているサービスのパスワードを直ちに変更
- 不正ログインや不審な操作がないか確認
- 金融機関やクレジットカードの場合は一時停止や再発行手続きも検討
【STEP3】端末のネットワークを遮断(必要に応じて)
- マルウェア感染の可能性がある場合は、すぐにネットワークを遮断(Wi-Fiを切るなど)
- 社内端末であれば、情報システム部門へ連絡後、調査用としてそのままの状態で保管
■ 2.報告と連携
【STEP4】上司と情報システム部門に報告
- できるだけ早く報告。以下の情報を整理して伝える:
- どのメール・リンク・サイトに対応してしまったか
- 入力・操作してしまった内容(例:IDとパスワードを入力した)
- 対応済みの内容(例:パスワード変更済み、カード停止済みなど)
【STEP5】社内の指定窓口(CSIRTやセキュリティ担当)に詳細を連絡
- 必要に応じて被害調査、ログ確認、影響範囲の確認を依頼
- 他の社員への注意喚起を依頼することも検討
■ 3.外部機関との連携(必要に応じて)
- クレジットカード会社:不正利用の確認・カード停止・再発行
- 銀行:口座凍結や振込停止依頼
- 警察(サイバー犯罪相談窓口):被害届の提出を検討
- 個人情報保護委員会への報告(情報漏洩の可能性がある場合)
■ 4.再発防止のために
【STEP6】使い回していたパスワードの変更
- 同じID・パスワードを使っていた他のサービスも変更
- パスワード管理ツールの導入・多要素認証の設定を推奨
【STEP7】フィッシング詐欺の見分け方を再確認
- 送信元メールアドレスを確認
- ドメインが本物かどうかをチェック(例:www.amazon.co.jpではなくamaz0n.co)
- 添付ファイルの種類・リンクのURLなど、不審なポイントを確認する習慣をつける
■ 注意事項
- 「恥ずかしい」「自分のせいで…」と思っても自己判断で対応を止めない
- 小さな情報でも、漏洩範囲は広がる可能性があるため、早めの報告が重要
- 組織として対応することが大切です。一人で抱え込まないようにしましょう。
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