Today’s Security: 東海大学でランサムウェア感染|ネット遮断と被害調査の意味をわかりやすく解説【2025.04.18】

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出典産経ニュース(2025年4月18日)


こんにちは。今日は、東海大学で発生したランサムウェア感染によるシステム障害のニュースをもとに、「なぜネットを止めたのか?」「調査って何をしているのか?」を中心に解説します。


■ 何が起きたのか?

2025年4月18日、東海大学は以下のような被害が起きたことを公表しました:

  • 大学のサーバーなどが不正アクセスを受けてランサムウェアに感染
  • 対処のためにインターネット接続を遮断
  • 学内Wi-Fi、メール、ポータルサイトなどが停止
  • 一部の授業を休講
  • 北海道、東京、神奈川、静岡、熊本の各キャンパスで影響が発生

現在、大学は原因や被害範囲を調査中で、早期復旧を目指しています。


■ なぜ「インターネット接続の遮断」が行われたのか?

ランサムウェア感染が判明した際、ネット接続をすぐに遮断するのは、被害をこれ以上広げないための重要な初動対応です。

● 接続を遮断する理由:

  • ランサムウェアが他の機器やサーバーに広がるのを防ぐため
  • 攻撃者と通信をしている場合、外部とのやり取りを遮断するため
  • システムに異常が出ている間は、正常な通信がリスクになる可能性があるため

このような措置は、セキュリティの現場では「封じ込め(containment)」と呼ばれ、感染拡大防止の最優先事項です。


■ 「被害状況の調査」とは何をするの?

大学側が行っている「被害状況の調査」とは、次のような項目を確認・分析していく作業です。

● 主な調査内容:

  1. どのシステムがいつから異常を起こしているか?
  2. ランサムウェアがどのファイルや端末に影響を与えたか?
  3. 情報漏えいが起きた可能性はあるか?
  4. どの経路から侵入されたか(メール、リモートアクセス、脆弱性など)?
  5. ログ(操作記録)に不審な動きがないか?
  6. 復旧できるデータの有無(バックアップの状況)

これらの確認をもとに、「どこまで戻せるのか」「何を再構築すべきか」を判断していきます。


■ 一般の私たちが知っておくべきこと

ランサムウェアはもはや企業や病院だけでなく、大学や教育機関でも深刻な影響を及ぼす存在になっています。

● 「自分には関係ない」と思わず、次のようなことを意識しておきましょう:

  • 学校・職場のWi-Fiに繋いでいるときも“安全な使い方”を意識する
  • 不審な添付ファイルやリンクは絶対に開かない
  • USBメモリや外部デバイスを差す前に内容を確認する
  • バックアップの重要性を知っておく(保存先は1か所だけにしない)

■ まとめ:止める勇気と、見えないところを見る力

今回、東海大学がインターネット接続を遮断したのは、「感染の拡大を止める」という勇気ある初動でした。
また、今行われている調査は、システムの裏側にある見えない“証拠”を一つ一つ読み解く作業です。

私たちは、ネットが「当たり前」になった今こそ、「使えない」ことのリスクと、「守るための知識」が必要な時代に生きています。

それでは、また次回の「Today’s Security」でお会いしましょう。必要な情報は、ぜひ身近な人と共有してください。

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