Today’s Security: Active! mailに「緊急」レベルの脆弱性|任意のコード実行やDoSとは?一般の注意点をわかりやすく解説【2025.04.18】

Todays

出典IPAセキュリティアラート(2025年4月18日)


こんにちは。今日は、株式会社クオリティアが提供するウェブメールシステム「Active! mail」に関して、非常に深刻な脆弱性が見つかり、すでに攻撃が確認されているという情報をもとに、一般の方が知っておきたい注意点を解説します。


■ どんな問題なの?

IPAの発表によると、「Active! mail 6」の一部のバージョンには**「スタックベースのバッファオーバーフロー脆弱性」**(CVE-2025-42599)が存在し、**深刻度は“緊急(CVSSスコア9.8)”**と評価されています。

この脆弱性が悪用されると、以下のような深刻な影響が起きる可能性があります:

  • 攻撃者が任意のコードを実行できる
  • サービスを一時的または永続的に利用不能にするDoS(サービス運用妨害)状態にされる

■ 「任意のコード実行」ってどういうこと?

これは、攻撃者があなたの使っているサービスやシステム上で、本来実行されるべきでないプログラムを動かすことができてしまう状態を指します。

● たとえば…

  • 他人のアカウントになりすます
  • メール内容を盗み見たり、改ざんしたりする
  • システムを乗っ取って別の攻撃の踏み台にする

つまり、「自分のサーバーやシステムが、勝手に命令されてしまう」非常に危険な状態です。


■ 「DoS(サービス運用妨害)」って何?

DoS(Denial of Service)攻撃とは、サービスを使えない状態にされる攻撃です。今回のような脆弱性を使って、サービスを一時停止させたり、システムをクラッシュさせたりすることが可能になります。

たとえば、

  • メールが一切届かない
  • サーバーが異常停止して再起動できない
  • 管理者すらアクセスできなくなる

といった影響が出ます。


■ すでに攻撃は始まっている

IPAの発表では、この脆弱性を狙った実際の攻撃がすでに確認済みとされており、「すぐに対応が必要」と強調されています。


■ 対象製品と対策は?

● 対象となるバージョン:

  • Active! mail 6 BuildInfo: 6.60.05008561 およびそれ以前

● 修正済みバージョン:

  • Active! mail 6 BuildInfo: 6.60.06008562

● 対策:

  • ただちに最新版へアップデートすることが推奨されています

詳細は、開発元の【Active! mail公式のお知らせ】をご確認ください。


■ 一般の人が注意すべきこと

この脆弱性は「サービスの管理者」や「企業のシステム担当者」向けの対応が中心になりますが、一般ユーザーにも大切なポイントがあります。

● あなたが「Active! mail」を使っている場合:

  • 所属先(企業、学校など)のシステム管理者にこの脆弱性について確認してもらうよう伝えましょう
  • 不審なメールの挙動やログイン異常があれば、すぐに報告しましょう

● 一般的な備えとして:

  • 利用しているWebサービスは、提供元のセキュリティ情報を定期的にチェックする
  • パスワードを定期的に見直し、同じものを複数サービスで使い回さない
  • **二要素認証(多要素認証)**の設定が可能なサービスでは、積極的に有効化しましょう

■ まとめ:見えないところで進行する“静かな攻撃”に早めの対処を

今回のような脆弱性は、ユーザーの画面上では何も変わらないため、気づいたときにはすでに攻撃されていたということも少なくありません。

Active! mailをご利用の方、またはその導入先に所属している方は、放置せずにアップデートや確認を行うことが重要です。
「深刻度9.8/緊急」という評価は、非常に高いリスクを示していることを意味します。

それでは、また次回の「Today’s Security」でお会いしましょう。必要な情報は、周囲ともぜひ共有してください。

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